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「問い」の作り方~新学期の授業に向けて

2022年度のシラバスは作り終わりましたが、授業が始まる前のこの時期に、「問い」の立て方を改めて学ぼうと思い、研究者仲間から頂いた本を読みました。

「生徒も教師も楽しめる 問づくりの実践~学びが変わる問いのフレームワーク」柞磨昭孝、日本橋出版、2020

ケースメソッドのインストラクターの資格を取るときも、この「問い」の立て方というのは大きな課題でした。問いによって、学びの質が大きく変わるからです。本には、授業を組み立てる上でのフレームワークとして、ICEモデルが書かれています。Ideas(知識の習得)、Connections(知識の拡張としてのつながり)、Extensions(課題解決に向けた汎用化)というステップを意識するものです。

私の授業でも、知識の習得で終わるものはほとんどありません。シングルループラーニングに終わらず、ダブルループラーニング(前提を疑い、考える)をさせるように心がけています。クリティカルシンキング、他者視点などを持ってもらいながら、知識を拡張させる内容にしています。要は、教員が単に知識をしゃべり、その内容をテストに出す、という授業はしません。

これを実現するために、毎回授業の前に課題について考えてきてもらい、授業中も考えながら聞いてもらうことがとても重要になります。なので、明海大学の「マーケティング論」や東海大学の「情報社会と知的財産」の授業では、次回の授業までに考えてくる課題を出しますし、授業が終わってから「問い」を投げてリアクションペーパーを書いてもらいます。授業を取る人は、積極的に考えることを楽しんで欲しいと思います。

また、なぜ経済学部の学生がマーケティングを学ばなければいけないのか、なぜ観光学部の学生が知財を学ばなければいけないのか、これはトリプルループラーニング(背景、信条、文脈)または、ICEでのSuper Extensionsの域になると思いますが、これも授業の最後(後半?)には分かってくれると思っています。授業の中でそれを考えさせるトリックを入れていますので。

本に戻りますが、質問の仕方(方法)って本当にたくさんあることが分かります。p46の表2 Q-Matrix (質問文のマトリクス)はとても参考になりました。でも、いつどんな時にどんな発問すべきかというのは、ケースディスカッションでもとても難しい問題で、それに熟達するにはまだまだ、といったところ。あ、マーケティング論の授業にはケースディスカッションもありますので、それも楽しんで欲しいです。ケースディスカッションは他者視点を得るいい機会ですし、就活でのグループディスカッション対策にもなりますよ。

では、学生の皆さん、受講ご検討ください。

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