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著書・論文

論文「感情AIとの関係が自己の情報開示に与える影響」

執筆した論文の早期公開版がJ-Stageにアップされました。
【追記】9/30に正式版が公開されました。

「感情AIとの関係が自己の情報開示に与える影響」

https://doi.org/10.7222/marketing.2025.042

Metadata
小谷 恵子, 感情AIとの関係が自己の情報開示に与える影響, マーケティングジャーナル, 2025, 45 巻, 4 号, p. 279-289, 公開日 2025/09/30, [早期公開] 公開日 2025/08/22, Online ISSN 2188-1669, Print ISSN 0389-7265, https://doi.org/10.7222/marketing.2025.042, https://www.jstage.jst.go.jp/article/marketing/45/4/45_2025.042/_article/-char/ja

Abstruct
生成AIは,ユーザーの感情を理解し,共感や配慮を表現する能力を備えている(「感情AI」)。感情を有するかのように振る舞うAIに人は親密さや擬人化を感じ,信頼関係の構築に寄与するとされる。本稿では, AIによる旅行プランニングのケースを用いて探索的な調査を実施し,AIとの関係性と自己開示の意向についてテキスト分析と統計的な検定から,以下の3点を導いた。第一に,AIの感情に対応できる能力を知覚することで,AIとの親密さ,擬人化,信頼を感じること,第二に,感情AIとしての認知の高さは,親密さ,擬人化に加え信頼に影響すること,第三に,AIに対して行動より感情の開示意向が高くなる傾向があることである。これらは,AIを使って感情データを積極的に取得できる可能性を示しており,顧客接点におけるパーソナライズや顧客体験の高度化に期待ができる。感情AIは多様なサービスへの応用が可能であり,消費者の内的思考の理解に基づいた新たなマーケティング・アプローチとして機能し得ることを示唆している。

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先月ChatGPTの「keep4o」運動が起きましたが、それを理解する一助になると思います。顧客接点でのマーケティングにおけるAI活用のヒントになれば嬉しいです。

調査は、GMOプレイアドさんの「Depth X byGMO」で行いました。定量的なアンケート調査の中で、フリーテキストで答えた内容をAIがさらに突っ込んだ質問をするという形でより深いコメントを引き出すことができます。タイミングよくリリースされた機能で、これからこういった調査も増えてくるのではと思います。
執筆にあたりご協力いただいたみなさま、査読いただいた先生方、ドラフトの感想をくださったみなさま、ありがとうございました。
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